2020年度バイオインフォマティクス技術者認定試験を受けてみた

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試験結果

 2021年2月に、2020 年度バイオインフォマティクス技術者認定試験を受験しました。
結果は・・・

637.5/750 点(正答率 85%):判定 合格 A(合格者上位10%)

でした。
合格者は 241 名だったので,24 位以内に入っていたようです。まさか合格Aを頂けると思っていなかったので、この結果に自分でも驚きました。

正答数

分野別正答数は以下の通りでした。

生命科学:8/10
情報科学:10/10
バイオインフォマティクス前半:配列 11/12, 構造 6/8
バイオインフォマティクス後半:遺伝進化 7/8, オーミクス 9/12

全体:51/60

試験詳細

情報ページ
https://www.jsbi.org/nintei/2020/

 今年から CBT(Computer Based Test)になり、同じ試験時間(120 分)で出題数が 80 問→60 問と減りました。紙の場合と異なる回答のしにくさを考慮したのでしょうか?
でも試験用のコンピュータはキビキビと動き、ストレスを感じませんでした。メモ用紙(A4 両面白紙)1 枚と鉛筆を借りられ、用紙が無くなったときには試験官を呼べば新しいものをもらえます。自分の筆記用具は持ち込めません。問題文・選択肢に対するメモ (◯や×下線など)を付けられないのが少し不便かなとは思いました。

受験体験記

 県庁所在地まで40分ほど高速を飛ばしてテストセンターまで行ってきました。ビルの1階に立体駐車場の入り口があり、中心街で駐車するのが面倒だと思っていたため助かりました。ビルの6階が受験室になっていました。非常に狭い部屋で、コンピュータは間隔を取って6台ほどしか置いてありませんでした。同時に受験をされていた方達は必ずしもバイオインフォとは限らない様子。それぞれの方がそれぞれのタイミングで出入りします。私は水曜日の14時からの予約でしたが(試験1ヶ月前に申し込んだら、もう土日は予約がいっぱいでした。有休を取って受験しました)、30分前から会場入りできると聞いており、律儀に13時半に受付に行った所、「今からすぐに受けられます」とのこと。持ち物(携帯やカバン)をロッカーに預けて、すぐに試験を開始しました。

 まず模擬問題を解いてみます。選択肢をクリックし、次の問題へ。残り時間は画面右上に常に表示されており、開始直後からカウントダウンしています。ですから腕時計の類いも特に必要ありません。もういいやと思えば右上のボタンを押すと終了できます。なかなか見やすい画面構成でした。昔受けた初期のTOEFL iBTとは大違いです。スクロールも早いし、応答も迅速で快適です。

 緊張しながら本試験に入ります。始めに出題する問題をシステムが選んでいるようでした。回答をしていく順序は自由なので、正答率に応じて出題を変化させるような機能はないと思います。過去問では、出題順序は分野別に固定(生命科学,情報科学,バイオインフォの順)されていましたが、CBTではシャッフルされていたようです。私の最初の問題は2進数の補数表現について和や差を計算するものでした。過去問と全く同じ出題でしたが、答えを忘れていたのでじっくり取り組みました。情報科学は専門外なので…(と言いつつ情報科学は全問正解でした。とはいえ自身の専門の生命科学で2問間違ったのは正直痛いです)試験直前の5日間に5年分の過去問に取り組みましたが、かなり同一の出題が見られました。問題文が全く同じであるどころか選択肢の順序も同一の出題が少なくとも5, 6 問はあったと思います。CBT対応のために問題を増やすのが大変だったのでしょうか。とにかく過去問をやっておくと有利です。

 解答に自信がある問題は、選択肢を選び確定します。選択肢に確証がない場合、取り敢えず答えを選んで「後で回答する」というフラグを付けておけます。問題の一覧画面からその問題に後で飛べます。時間をかけて考えたい問題は早めに判断を下し、選択肢を選ばずにフラグを付けて次の問題へ行きます。

 80 分ほどで全ての問題に解答し終えましたが、時間の残る限り考え抜き、正答率を少しでも上げることを狙いました。正直分からない問題は1, 2 問で、ミスを含めても落としたのは 4, 5 問かと思いましたが、残り3分で「テストを終える」ボタンを押した直後に表示された「正答率85%」には正直目を疑いました笑。想定よりも間違っていたようです。合わせて9問間違っていたわけですが、どこを間違ったのか教えて欲しいです。受験者毎に問題が違うから公式な解答解説は無くなるわけですよね… 

試験対策

 色々忙しかったこともあり、直前 1 週間に絞って準備しました。過去問を5年分だけやりましたが、全く同じ問題も出ましたし、類題も多かったので、直前に固めてやったのが良かったです。

 生命科学については専門なので全く準備しませんでした。過去問をやっても20問中、1, 2 問しか落とさなかったので、大丈夫だろうと考えました。

 問題はその後でした。情報科学については大学でちゃんと学んだ経験が全くなかったので大変でした。例えばソートについては、バブルソート・クイックソート・マージソートなどそれぞれのアルゴリズムの計算時間について丸暗記して、詳細には立ち入りませんでした。他には、例えばSQL についてはMySQL をインストールしたりして少しいじってみたりはしました。その他過去問を解きながら、一つ一つの話題について考え方を整理して覚えていきました。

 バイオインフォマティクスについては、配列(1次元情報)についての話なのか、構造(3 次元情報)についての話なのか、しっかり頭の中で区別するよう意識しました。ラマチャンドランプロット(タンパク質の構造傾向の表示)などは昔聞いたことがありました。DNAの二重らせん(B 型構造)やタンパク質のαヘリックスは「右巻き」というのは重要ですね。Burrows-Wheeler変換は全く聞いたこと無かったのですが、こうやるとうまくいくんですね~という感じです。この資格試験で問題として問われるのは極めて初歩的なことだけですので、基本的なことをおさえておけば大丈夫です。

 遺伝進化についてもしっかりと学んだことは無かったのですが、興味深く取り組めました。分子進化の系統樹の推定の仕方(平均距離法 UPGMA, 近隣結合法 N-J method)など、基礎的な概念を学ぶのは啓発的でした。ハーディー・ワインベルク平衡からの乖離(連鎖不平衡)の分析の仕方なども、教科書に易しく書いてあったので勉強になりました。試験と関係なく楽しく取り組めた分野でした。

 オーミクスについては、ATAC+GEX(マルチオーム)など最新の情報が出てくるので対策しづらくはありました。3つ落としてしまったので、何を間違ったのか教えてもらいたいです。

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